2006年9月のありがとう
はやさ
 月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口をとらへて老いをむかふる者は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり…
奥の細道(旅程600里、5ヶ月あまりの旅) 松尾芭蕉

 安宅の関、那谷寺では、

  石山の 石より白し 秋の風

と詠んでいます。
 今日吹いている風もこんな風かなと思うと、一層人生を深く生きることになりましょう。

 芭蕉は1日50km歩いたと言われます。なかなかの健脚です。8時間とすると、時速6kmとなります。年齢と道と句想も考えれば、随分早いでしょう。

 ここでちょっと違う早さを記してみましょう。
 これはアルビン・トフラーとハイジ・トフラーの共著「富の未来」にあります。
 それは社会や産業や人の動きの速さを、象徴的に車の時速で整理しています。
 それによると、

  1.アメリカの企業100km/h
  2.社会団体(NPO等)90km/h
  3.アメリカの家族
(家庭にはインソーシングの波がきている)
60km/h
  4.労働30km/h
  5.政府の官僚機構、規制機関25km/h
  6.アメリカの公教育制度10km/h
  7.IMF、WTO5km/h
  8.豊かな国の政治機構3km/h
  9.法律1km/h

 このスピードを日本版で考えたり、私たち個々人の仕事のスピードに置いたらどうなるでしょう。私はこう考えます。

  T.仕事の構想70km/h
  U.仕事の巡航速度140km/h
  V.クロージング50km/h

 来月(10月)から(T)の構想をそれぞれ1本創造し、あと(U)の仕掛りの仕事の実行はスピードをあげてください。(V)のクロージングを迎えるものは、慎重に品質をあげてください。

 今月もありがとう。
井上 健雄