第4号 2006年12月15日発行


contents ご挨拶 「意思の方向」
ご挨拶

エコロジー研究会
『第三者評価は時代のソリューション』

『CSR教育は会社に何を齎したか』

Land-Ecoシンポジウム
『土壌第三者評価の意義』

書籍紹介

編集後記

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鮟鱇ね 嬉し悲しは 冬か春   偉美韻宮


 江戸時代の『魚鑑』(天保2年、1831年)によると、華臍魚。鈍くさい魚として「暗愚魚」アングギョ→アンコウの説もある。
 この魚は関西のフグ、関東のアンコウとどちらかというと関東の方が人気が高い。
 鮟鱇は産卵期前の12月から2月頃のものが旨く、アンは「魚偏に高い」と書くべきである。但し、春の産卵したあとは旨くない。それは「鮟」で良いのだが…。食って見て旨い冬の鮟鱇と言われたか、雑駁な味の春物と言われたかで、値打ちが違う。
 料理に少し深入りすると、アンコウは吊るし切りが良い。水分80%のヌルヌル体だから。
 一番おいしいところはヌノ(卵巣)である。これを食べると体がほかほか温まるからチリメン(肌着)とも言われる。
 そしてアンキモは海のフォアグラと呼ばれ、脂肪含有量42%、ムコ多糖類の塊のようなもので、若返り100倍である。
 今年、頑張り過ぎてヘトヘトの方も、アンコウ鍋で元気を取り戻す舌鼓をお奨めしたい。年末・年始にかけてよく食べてよく話し、2007年のあり様など見定めてください。よければお誘いください。

 ここまで食べ物のお話を致しましたが、この食べることはより良く生きるための根源的な役割をもつからである。
 一方で、イエス・キリストは「人はパンのみにて生きるにあらず」と言う。では人間の生きるとは何か?
 それは力への意思だとニーチェは言ったと思う。
 力への意思とは、創造する力や自分をコントロールする力を指す。これらが衰えると、人は老化し国力は低下することになる。よって創造しコントロールすれば、人は元気になり国は栄える。
 そして人類史という視点から、人が生きるという手段の一つとして会社・組織を発明したのだと思う。とすれば、人が生きるには社会思想として組織の活性化を考えることが大事だろう。
 最近の進化論は「長く存続できた生命というものは、全速力で変異してきた」としています。あの『鏡の国のアリス』でも、赤の女王がアリスに向かって『同じ場所にいたいのなら、全速力で走りなさい』と言っています。
 これは赤の女王仮説というものですが、私たちもより良く生きる為には、全速力で走ることです。
 走るには方向性がいります。沼や涯があれば、跳んだり避けたりする必要があります。この方向性や跳んだり避けたりの情報を、このクオーレで皆様にお伝えできればと考えます。
 新年もご多幸に満ち満ちてありますように祈念致します。

井上 健雄