フィランスロピー研究所 今月のありがとう
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2014年4月のありがとう
イメージ画像 戦略家とは

 スーパーマネジャーは誤解する。
 自分の頭(知恵・経験・洞察力…)があれば、どんな問題も解けると考えている。
 しかしこれは錯覚となることが多い。

 まずいい例、ジャック・ウェルチの行動を考えよう。
 彼はGE(ジェネラル・エレクトリック)を引き継いだ時、200以上の事業を売り払っている。110億$超の金を手に入れた。
 そしてこの金で、370以上の企業を買収している。
 彼は調子の悪い業界の事業を捨て、可能性ある業界に引越しをしたのである。
 彼は、個々の事業というよりインダストリー・エフェクト、つまり業界の動向というものの重要性に着目したのである。
 スーパーマネジャーが、業界の動向にかかわらず自分の能力で対抗しようとしても、それには限界もあるということだ。

 「オマハの賢人」ウォーレン・バフェットも言っている。
 『敏腕だと評判の経営者(スーパーマネジャー)が手ごわいと評判の業界に乗り込んだ場合、変わらないのは業界の評判だけだ』
 バフェットでさえ、投資のパフォーマンスにおいて、家具業界では目に見える成果をあげていない。
 とは言え、彼が注目したのは、家具メーカーでなく家具関係の小売業という所が、彼のストラテジストとしての面目がある。

 従って、業界を苦しめてきた数々の難問を、経営力さえあれば容易に解決できるとした考えは、短慮でしかない。
 私たちが考えるべきは、自分で変えられないものは受け入れ、変えられるものを変える勇気が必要なのである。
 「変えられないものと変えられるものの識別ができる」これを戦略家というのである。
 そこで私は、戦略家として、あのイケアの創業者であるイングヴァル・カンプラードを次々月で紹介したい。

井上 健雄

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