2007年8月のありがとう
ビジネス・アスリート

 この拙文を書いているいま、世界陸上2007大阪が男子マラソンでスタートしました。
 「金」1号は、ルーク・キベト(ケニア)さん。9月2日までの9日間を楽しみたいと思っております。
 そこで、今月のありがとうは、このアスリートたちにちなみビジネス・アスリートについて語ります。

 情報社会の進展は知識価値を一層低くし、智慧での勝負の時代としました。『エッ!知識の価値は上がってるじゃないですか?』の声が聞こえそうです。残念ながら、そうではありません。
 なぜなら知識は日々生まれ、膨大なボリュームで世の中にあふれています。特にインターネットで知識量の増大への拍車がかかる上に、日々の陳腐化も早くなっているからです。
 陳腐化の要因は、技術革新や社会改革の進化です。ある意味、いつも新しい時代が始まっているのです。

 知識と智慧の差をもう少し補足します。
 智慧とは、文字や言葉で表せないもので、経験であったり、人から学ぶものであります。だから簡単に人と共有できないのです。つまり専門知識を持った人はたくさんいますが、智慧にまで高めた人は少ないのです。
 智慧とは、その人ならではのソリューションを言います。そのソリューションには、経験や技術基盤があり、その上教養として仕事への心得があることです。

 私は、この智慧あるビジネスパーソンをビジネス・アスリートと呼びたいのです。このビジネス・アスリートにとって、仕事は労働ではありません。
 ビジネス・アスリートにとっての絶対条件は、いつもビジネスをアートにまで高め創造できることです。つまりビジネス・アスリートの創造するものは「作品」です。私たちにとって作品の評価こそが報酬です。
 私が皆さんと共有したいのはこの思想なんです。ちょっと美しすぎる表現ですが本心です。お互いの作品を鑑賞しあいましょう。

 暑い夏、ほとんど夏季休暇もとらず懸命に作品づくりをしてくれてありがとう。秋には作品展でもひらきたいなぁ。
 ありがとう。わがビジネス・アスリートたちよ。
井上 健雄