2008年10月のありがとう
考えにモノをのせる

 株の下落が激しい。10/24現在、7,649円、前日比811円安。
 8,000円割れは5年5か月ぶりで、バブル崩壊の最安値7,607円も目前である。
 アメリカ発の世界恐慌である。

 アメリカでは犯人捜しが始まっている。
 一番は規制緩和を推進したフィル・グラム元上院議員や、米証券取引委員会のクリストファー・コックス委員長だと名指しされている。また、住宅ローン返済能力のない人に過剰貸し付けをした、米連邦住宅抵当公社のフランクリン・レインズ元CEOもその疑いが高い。リーマン・ブラザーズのCEOリチャード・ファルド氏とか、個別会社もいろいろ取り沙汰されている。
 誰にしたところで、頭脳明晰な人材が危ない証券化商品を創りだし、それを認め売り込んだことにも原因があろう。今となれば化物のサブプライムローンを利用した庶民も、被害者であるとともにその責任の一端を担っている。

 ウォーレン・バフェット氏は、この証券化の金融技術デリバティブを金融大量破壊兵器と評している。ほんの少しの考察であるが、いろいろな要因が垣間見えてくる。
 これらの個別要因もさることながら、本質は欲深い人間が欲深い資本主義に踊った結果なのである。
 こうした結果、一番苦しむのはまっとうに生きている市民である。正直者が馬鹿を見ない世であることを切に願いたい。
 少なくとも私たちは欲深くなく、清く正しく美しく生きたいと思う。

 バブルに踊らないために、考えをある意味、モノ(しっかりとした成果物)に変換しうるまで考えることが大事だと考える。
 企画であれセミナーであれ、それが世の中に何を創り出しどう貢献するか、そのセミナーがどのような知や技術を届け、参加者にどのような知の拡がりや啓機をもたらすのか、考えて提供すべきである。
 地に足をつけた情報を提供して、まずささやかな貢献から始めようではないか。
井上 健雄