2009年2月のありがとう
知的楽観主義

 2008年末で世界には2億人近くの失業者があふれている。
 今となればそんなことは軽いことに思える。世界経済は、奈落の底に沈もうとしている。

 米国だけを見てもその株式は、1年半で930兆円も目減りしている。日本のGDPの約2倍だから、日本が2つなくなったようなものである。
 世界の輝ける企業として君臨したGM、フォード、アメリカン・インターナショナル・グループ等は倒産や国有化の声で喧(かまびす)しい。
 もう少し追加すれば、つい5日前(H20.2.20)にはオレゴン州の地銀シルバーフォールズ・バンク経営破綻と発表している。今年に入って2カ月もたたないのに14行目である。
 追い打ちをかけるように、カリフォルニア大学バークレー校のオーエルバッハ教授らは、向こう10年間の財政赤字は年平均1兆$に達するとしている。

 日本だってIMFが日本の09年成長率をマイナス0.1%と予測しているが、現在の輸出の落ち込みは昨年来毎月1兆円減っている。1年経てば12兆円減。これだけで2.4%減であるのに、マイナス0.1%。あまりにも楽観的である。
 今が底ではなく、二番底三番底…を想定し、体制を整えるべき時である。

 しかし、しかしである。
 悲観的な現状や予測と、個々の組織のパフォーマンスは別である。
 智慧と汗とネットワークにより価値の創造をすれば、そこは異次元の世界がある。
 そんな異次元創造こそが私たちの仕事でもあり、社会的ソリューションともなるのである。
 このように考える態度を「知的楽観主義」という。

 さぁ私たち一人ひとりが自問をすればいい。
答: 今日も元気な体があるじゃないか。
答: それぞれの歴史に合わせて智慧と経験とネットワークはふくらんでいるじゃないか。
答: 素晴らしい仲間がいるじゃないか。…
 個々人で振り返れば、優位なポジションに立っていることは間違いないだろう。
 そのポジションを生かせないとしたら、それは組織のお荷物だし、社会的にも有用でない。

 こうした時こそ、私たち組織のミッションと行動規範を思い起こしてほしい。

Our Mission 私たちの使命
私たちは、社会が地球が直面する問題に対して、エクセレントなソリューションを提供し、公正で公平な豊かな社会を創造する。

Our Lodestar 私たちの行動規範
私たちは、わくわく感に満ち溢れながら仕事をする。
その中身を形成するものは、以下の7つである。

1.Aggressive Vision −挑戦的な夢−
2.Super Structure −統合的な新構造−
3.Ultra Execution −超実行−
4.Nice Leadership −魂を揺さぶる指導力−
5.Attitude toward Learning −学び続ける姿勢−
6.Respect for Stakeholders −すべての利害関係者への尊敬−
7.Open-minded −受け入れる心−
※ASUNARO;アスナロ・明日檜になろうを意味します。

 今こそブレークのチャンスと心得てほしい。
 ただタイミングがある。立ったまま、今の現状のままでは飛べない。次の飛躍に向けて、少し屈(かが)もうではないか。
 今月も奮闘、とてもありがとう。

井上 健雄