2010年5月のありがとう
andの時代

 この5月の初夏を楽しんだ。この時季の新緑は、生命・発展力に満ちている。
 この生命力の萌芽を見ていると、私たちも自らの新しい生き方を創造せねばと思う。
 人は、充電をし続ける存在でなければならないと思う。その為に時には、日常性を離れ経験が、必要だ。
 非日常は、新発見や新思考を齎してくれやすい。

 私たちの生活は、地球温暖化、資源枯渇、食糧危機、貧富の差拡大等々…山積する問題に、押し潰されようとしている。
 平たく考えれば、この山積する問題をうまく解くために、政府、企業、団体、個人があるのだと思う。

 問題を大きな目で眺めていると、世界は生命の活発を求めているように思う。
 生命の中でも、人々の活発性を注視し始めているように思う。(この流れは生物多様性の尊重となり、生物多様性条約COP10(2010年10月11日〜29日)が開催される)
 これは発展途上国の力強い成長が一層自然を毀損したこともあるが、現代の人々の生命力の陰りこそが引き寄せた問題とも観える。

 世界の課題は、まず、人々のウェル・ビーイング(より良い生活)に向かわねばならない。
 こうした文脈において、私たちのイー・ビーイングも、最初のイー(E)を主体とするエコロジー活動から、これからは、第2のビーイング(Being)を基幹としてエコロジーに取り組む形が良いのかも知れない。

 高度成長期は、いけいけどんどんと一つの課題に集中した時代である。
 つまりオア(or)でAかBかの選択で成長してきたのである。
 現在は、いろいろな問題が解決されず、底に溜まり層をなしている時代である。
 そこでいま喫緊の課題をメインに置きつつ、積み残された課題に平行して取り組むandの時代である。

 まぁ言えば多次元方程式を解くように知識の高度化も必要となる。
 単品の知識から品種として、店としての知識への時代である。
 問題に複数の価値を入れることで、うまく解ければ、シナジー効果が出て、より一層上のソリューションという僥倖に出会えるかも知れない。
 面白いやりがいのある時代である。
 僥倖を得る為の力が試される時代だ。拍手でもって迎えられる社会的ソリューションの為に、研鑽に努めよう。

今月もありがとう。

井上 健雄