Ecology
LOHASクッキング
イー・ビーイング CSRチーフコンサルタント
 菅原 桃子 


LOHASとは、Lifestyles Of Health And Sustainabilityの頭文字をとった言葉で、健康と環境を指向するライフスタイルを指します。

背景: 従来の調理加熱におけるエネルギー効率の悪さ
(熱エネルギーのムダ使い)
※実際に使用されているエネルギーは、必要なエネルギーの7〜10倍
サンマを1匹焼くのに必要なエネルギー 14.3kcal※1
2匹の場合 28.6kcal
ガスを利用してサンマ2匹を焼くのに必要なエネルギー(換気扇をまわすエネルギーも含む)
243.0kcal※2
必要なエネルギーの8.5倍のエネルギーを
使用している
【例】
※1
1匹150g(水分率は生で58〜62%、半生で45〜50%)、平均比熱0.7、焼くときの表面温度150℃、中心温度70℃、平均温度100℃、サンマの品質温度10℃、水分蒸発平均6%、気化熱539として計算。
150×0.7×(100−10)+(150×0.06×539)=14.301
※2
1匹150g(水分率は生で58〜62%、半生で45〜50%)、平均比熱0.7、焼くときの表面温度150℃、中心温度70℃、平均温度100℃、サンマの品質温度10℃、水分蒸発平均6%、気化熱539として計算。
150×0.7×(100−10)+(150×0.06×539)=14.301
サンマ2匹焼くのに必要なエネルギー28.6kcal,ガスは平均1時間あたり200kcal(10分間焼く場合は200kcal)。 ガスでサンマ2匹を焼く場合の熱効率は 28.6÷200=0.143(必要なエネルギーに対して利用されているのは14.3%)
換気扇0.3kwを10分間まわすのに必要なエネルギーは、 0.3×600÷4.185=43.1kcal
ガスのエネルギーと換気に必要なエネルギーを加算すると、 200+43.1=243.1kcal
新機能性陶磁器を利用した熱効率のよい調理
― 電子レンジを利用した遠赤外線加熱 ―
新機能性陶磁器を利用してサンマ2匹を焼くのに必要なエネルギー 35.1kcal※3
ガスを使って焼く場合の
1/7のエネルギー
【例】
※3
新機能性陶磁器を利用してサンマ2匹を焼くのに必要な時間は、0.7kwの電子レンジで210秒。
このときのエネルギーは、0.7×210÷4.185=35.125kcal
そのわけは…
(1)
電子レンジから出るマイクロ波を遠赤外線の波長に転換することで熱放射のエネルギーを効率よく利用。
…電子レンジから出力されるエネルギー(35.1kcal)が、1.428倍のエネルギー(50.0kcal)に転換される。
(2)
多くの場合、煙も出ず熱放射も少ないため、換気を必要としない。
仮に、日本中の家庭(約 4,680万世帯)がサンマを2匹焼くとして、節減できるエネルギーは約 97億kcal (約 450万kwhの発電端投入熱量 に相当※4
削減されるCO2は約 2千t ※5
※4
(243.0−35.1)×46,800,000=97.3億 (kcal) 97.3億kcal÷2150kcal=4,525,451 (kwh)
〈参考〉 発電時(発電端投入熱量): 9.0MJ/kwh = 2,150kcal/kwh
※5
■ガスを利用した場合 (調理時間など条件は左記の通り)
ガス:200×(4.1868×0.001)×0.0513=0.042957(kgCO2)、換気扇:0.3×(10÷60)×0.378=0.0189(kgCO2)
⇒ 0.042957+0.0189=0.061875 (kgCO2)
■新機能陶磁器を利用した場合 (調理時間など条件は上記の通り)
0.7×210÷(60×60)×0.378=0.015435 (kgCO2)
(0.061875-0.015435)×46,800,000=2,172,529 kgCO2
<参考>熱量換算:1kcal=4.1868×0.001MJ,都市ガスの排出係数:0.0513kgCO2/MJ,電気使用の排出係数:0.378kgCO2/kwh
一般家庭、加工工場、外食産業の調理現場で利用されれば、エネルギーの無駄を改善し、CO2 削減にも大きく貢献
4つの新しい価値創造
1.環境負荷の軽減
省エネな調理方法
    熱エネルギー効率の高い調理方法
環境汚染の原因の削除
    フィルムを利用しない調理
    汚れがつきにくく洗剤が不要
2.利用する方々の価値
経済面
    総合的なエネルギーコストの削減
美味しくする
    遠赤外線効果により簡単な調理で
    少量でも美味しく
健康面
    アミノ酸類など基礎栄養成分の増加
    酸化抑制効果、成人病予防など
    ニトロソアミン(癌原因因子)の生成抑制
    脂質、糖質、塩分の摂取の軽減
安全面
    炎が出ないので火災の心配が少ない
    高齢者、子供が使っても安全
    加熱のし過ぎを防ぐ
    殺菌効果が高い
品質保持面
    加熱後の保存性が高い
    味覚の低下が少ない
3.社会問題解決の価値
身体的ハンデを持つ方々
    簡便な調理方法による食生活の自立を支援
単身者、単身生活者
    少量の調理が簡便に美味しくできる
    栄養成分の安定摂取支援
独居老人、高齢者夫婦
    簡単安全な調理による食生活の自立を支援
4.新たな事業創生の価値
新たな食品素材の加工方法
新たな物流システム
新たな外食産業、給食産業、病院食のシステム
陶磁器の新たなニーズ
新たな熱源の開発

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