フィランスロピー研究所 今月のありがとう
フィランスロピー研究所
フィランスロピー研究所 今月のありがとう
2015年9月のありがとう
イメージ画像 赤とんぼ
夕焼け小焼けの赤とんぼ
負われて見たのはいつの日か… ♪
山の畑の桑の実を
小籠に摘んだはまぼろしか… ♪

 過日、吉野で「森まなび塾。」を実施した際、赤とんぼの群舞を見た。
 私の好きな赤とんぼ。
 昔は捕虫網を持って追いかけたものです。
 最近は目で愛でながら、子供の頃の郷愁に入ります。
 でも少なくなったなぁと思います。
 なかなか叙情的でしょう…
 極楽トンボと言われる私。面目躍如です。

 彼・彼女らは全世界に5000種、日本には200種。
 大型のオニヤンマから15mmほどのイトトンボまで。
 私は、夏の終りから初秋にかけて飛ぶ赤とんぼ、アキアカネが好きです。
 この辺りからこむずかしくなります。
 このアキアカネは、排熱性能が弱いため、夏は山の上で避暑をし、涼しくなると平地に下りてくる。
 まだアキアカネさんは吉野の山にいるんだと、暑い夏を噛みしめました。
 一方で熱の保持能力の高い赤とんぼさんは、体温を大気温より10〜15℃上昇させて、涼しくなった平地で喜び舞うのです。(本当は小さな虫を求めて飛んでいるのでしょう)

 とは言え、夕焼けに映える姿に霊性さえ感じさせる赤とんぼさんは、なぜ少なくなったのでしょう?
 原因は農薬らしい。
 蜜蜂に多大な被害を与えたネオニコチノイド系農薬のフィプロニル(稲を食べる害虫を殺す)を使った水田では、ヤゴは全く羽化しなかったのです。
 農薬について、ケースに応じて最低限の使用は必要であると思います。
 が、ネオニコチノイド系は禁止すべきです。

 ヤゴも育てず、草も生やさない田んぼや畑は不自然です。
 そんな自然に囲まれたら、人生は寂寞の一言です。
 農事の基本にこんな言葉があります。「春蒔き急ぐな!秋蒔き遅れるな」
 こんなお天道さんの教えに身を任す自然を守りたい。

 春蒔きは、少々遅れても作物が育ちますが、秋蒔きは、日照力が弱く適時が短いのです。
 仕事は、いつも秋蒔きなのかも知れない。
 タイミングに合う仕事をしっかり提供し、社会に少しでも良い変化を与えたいものです。
 仕事は、いつも秋蒔きであることを忘れない様に励みましょう。
 やはり、最後は叙情的から叙事的になってしまいました。とほほ…

※森まなび塾。(H27 9/19〜9/20):
吉野で森林保全やカーボンオフセットについて学ぶセミナーと、森林ボランティアや森林セラピー等の体験をする1泊2日のイー・ビーイングのオリジナル体験学習です。
※フィプロニル系農薬:
EUでは、2013年の暮れから使用禁止に。日本ではネオニコチノイド系の使用巾を緩和するなど真逆の対応をしている。悪い決定である。

井上 健雄

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