法位 |
「法位に住する」という仏教の教えがある。
真如の異称で、存在の真実のすがたを意味する。
これでも分かりにくいかも知れない。
分かりやすく言えば、人生いつもが本番であるということ。
人間は、本番と練習等を分けているが、動物の世界はそんなものはない。
いつも真剣本番である。
つまり人間だけが勝手に分けて、練習だといい加減であったり、研修中だと言って仕事への真剣さに欠けるケースが多々ある。
これは大人の世界だけのものではない。
子供には子供の法位があるし、大人には大人の法位。
結婚したら夫や妻の法位もある。
人はそれぞれ複数の法位をしっかり生きることが大事なのである。
子供の法位にいるなら、親に食や住を頼っている状態も許されたりもするが(年齢にもよるが…)、親への感謝とか子どもとして親に出来る範囲の孝行をするとか、勉学に励むとかをしっかりすることが「子供の法位に住する」ということである。
と同様に、身体を動かすことと頭を動かすことを分けてはならない。
ホンダの創業者・本田宗一郎は、現場で手を動かし、手を傷つけ指を腫らしたりすると、次の日とかにいい発想が浮かんだり、重要な意思決定をし成功した例が多いと話している。
社長の法位とは、現場と不即不離にあることが分かる。
これは社員についても同様である。
さぁ私たちは、しっかりとした法位を果しているだろうか。
仕事をする
↓
仕事に貢献
↓
貢献として認められる
↓
認められることは、売上になるとか、お客様の支持となる
↓
個人としての成長
↓
良い社会(良い企業)
となる。
その上に年末や年初といった社会儀礼の法位もある。
姿恰好、マナーなど年末に相応しいか、点検も必要である。
総点検をして改めるべきを改め、良き点を伸ばし、2013年に向かって欲しい。
これが年末の法位である。
2012年の奮闘を賞し、2013年の活躍を希望する。
ありがとう。
井上 健雄