フィランスロピー研究所 今月のありがとう
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フィランスロピー研究所 今月のありがとう
2013年7月のありがとう
イメージ画像 フォーカス・イリュージョン

 人は何かに注目すると、その何かに引きずられて、次の質問に応える傾向がある。

Q1. あなたに恋人はいますか?

A1. ハイ or イイエ
Q2. あなたは幸せですか?
Q1の質問でハイと応えた人の幸福率は高くなる。

 しかしこのQ1とQ2の順序を逆に質問すると、

Q1. あなたは幸せですか?

A1. ハイ or イイエ
Q2. あなたに恋人はいますか?
幸せと応えることと恋人のいる・いないに相関はないのである。

 つまり最初に恋人にフォーカスしたところから、イリュージョン(幻想)が始まっているのである。
 これを私たちの折々の意見・決定や日々の生活の行動に当てはめてみると、やはりいろいろなイリュージョンが支配している。
 そしてそのイリュージョン度が高いほど、パフォーマンスが低くなり、結果的に失敗や失業を招くことになる。
 企業が的外れの目標(イリュージョン)を設定すると、惨憺たる結果しか生まない。
 個人も同様で、イリュージョンに満ちた目標設定をしていると、何の成果も進歩も示さない失われた○○年となり、社会的存在に疑問符が点灯し、次の人生選択を迫られることにもなるのである。

 もう一つ。
 「花はなぜ咲く」のでしょう。また、あの花の美しい色はどうして…
 人の気を引き、恋の成就を助けるため、これも美しい応えですが、それは「花が子孫を残す為」、「花が紫外線から自己防御のため…」に本質がある。
 花は、太陽光とCO2と大気・水を元に育つのだが、晴天の昼間の明るさは10万ルックスもある。
 しかし、葉っぱの光合成のためには2.5〜3万ルックスもあれば十分である。
 逆に、3〜4倍のエネルギーの負荷を受けていることになる。
 そこで、植物は過負荷による活性酸素を抑えたり、また活性酸素を消去する物質をつくる仕組みを作りだしている。
 その一つとして抗酸化物質がある。
 それがアントシアニンとカロテンである。
 この二大防御物質が、花を美しく、そして生まれてくる子を守っているのである。
 花の美しさにフォーカスして、花の生き方、防御スタイルに至りついたのである。

 イリュージョンに迷わされずに本質解を捜す、それが今月のありがとうである。
 最初に何にフォーカスするかで、パフォーマンスに雲泥の差がでる。
 せめて変なイリュージョンはやめてほしい。
 フォーカス・ツルー!
 今月もありがとう。

井上 健雄

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