第5号 2007年7月5日発行


contents ご挨拶 「明日の研究会に向けて」
ご挨拶
『明日の研究会に向けて』

エコロジー研究会
『第三者評価時代の到来』

『クライシスに陥らないためのリスクマネジメント』

『今、東京で起こっている事、起こす事』

『2007年を展望して』

書籍紹介

編集後記

バックナンバー
 明日の研究会の方向として、ゴールドコープ・チャレンジを紹介する。

 カナダのトロントに本社を置く金鉱山会社。頻発するストライキ、膨大な債務。その上、掘り続けているレッドレイクは終掘を迎えようとしている。
 もう誰もが倒産を思い浮かべる頃、投資信託マネージャーのマキューエンが社長として乗り込んできた。彼は地質も探査についても何も知らない。そこで誰も期待しなかった。
 マキューエンは鉱山が分からなくても、自己投資、つまり学習に努めた。そこで、MIT工科大学で開催された若手社長向けのコンファレンスで、リナックスの話を聞いた。
 ヒラメキ!!!
 彼は彼の会社の鉱山の地質データを、400メガバイトあまり世界に公開することを決定した。全員が反対した。
 しかし実行。金採掘に有意な提案には総額57万5000$の賞金を払うと宣言した。
 15カ国、1000人以上が地質データと格闘し、提案。いろんな人から。数学者、軍の士官、コンサルタント、大学院生、勿論地質学者からも。
 結果、250tにも上る金が発見された。1億$の不振企業が、90億$の巨人企業へ。
 会社外の知のボリュームは計り知れない。

 つまりこれまでの勝ちゲームは――
  壁で自分の家を囲った
  自分たちだけで革新をした
  データとソフトウェアを守った
であったが、今後はこうなる。
  誰でも来られる広場(サロン)を造る
  コラボレーションで革新する
  全世界に公開する
その上で、フェースtoフェースのリアルサイトの場をもつことです。

 そうすると、皆さんがお好きな共感ディナーが最も明日の研究会に近いのではないでしょうか。
 今日は前回のエコ研の特集ですが、次回は「明日の研究会」というテーマでクオーレを充実させたいので、ご寄稿戴けませんか。
 集合知の爆発をご一緒に体感しましょう。
 お待ちしています。

井上 健雄